2017.08.26 06:44楕円球の恋。還暦を過ぎた我が師が、46年前の恋に焦がれている。師弟の私は、その話をremakeしてみた。陽光刺す。木製の下駄箱が並ぶエントランス。15時13分、下校時。「内田君。今日も部活。」「そうばい。」「忙しかね、毎日。」「少しだけ話す時間ある?」「うん。」「内田君、交際ばしてる人おる?」「そげなもん、おろうもん。」「何故そげな事聞こうこつ。」「あんたの事好きゃけん。」「内田君が楕円球抱いて走ってる姿、毎...
2017.08.22 07:02夏をあきらめて。氏神様の夏祭りが終わった。祭りの終わり、一抹の寂しさ感じる。祭りの朝、日本経済新聞にサバニの特集記事が掲載された。一年ぶりに見る懐かしいメールアドレス。「今朝の新聞読みました。あなたが乗ってる舟だょね。」「久しぶり、元気?」「なんとかやってる。」「それで、あなたが乗ってる舟?」「そうだよ。サバニ。僕が乗ってる舟。」「なんか、懐かしくなっちゃってメールしたの。」「まだ、マンチェスターにいるの。」「今...
2017.08.13 07:051974のパドリング。あつおが舵を取る。「君が三ノ宮で雇われマスターだった頃の事。」「酷く疲れた朝だった。」エークが水を捉える。「シナモントーストと苦いカプチーノ。」「全て上手く行くと。何の保証も無いのに。」海月がいる海。「回転木馬とサバニの海を覚えてる?」「忘れようと努力はしたよ。」8月の三ヶ岡から北風。「漕ぐ手を止めなければいいの?」「わからない。」「ただ、熱いコーヒーとステップを踏み続ける事は、やめない。」航路が...