サバニに乗った少年

AM5時30分。

彼は3歳の頃からサバニに乗っている。

風を感じ海を見据える。

小学校に登校する前の時間、

眠いだろうしお腹も空いているだろう。

日本広しと言えども、こんな小学生はいないだろ。

「漕ぐのをサボるな!」

父親の叱咤激励が葉山の海にこだまする。

幼少期から慣れ親しんだサバニ、

まさに、夢のゆりかごだ。

葉山にサバニがある限り、

彼のエクストリーム登校は続く。

そして、座間味レースが行われる同日。

10年ぶりにレースに出場する。葉山の海で。

サバニで座間味から那覇に渡れないのは遺憾だが、

身体の中にサバアンダーが流れている私は、

自身がたうてぃ"だと思い1500メートルを泳ぐ。

リオ・オリンピックの代表選手も出場すると聞く。

サバニ乗りがサバニとなって世界に挑む

タフな戦いになる事だろう。

そんな、肌寒い今日の朝。

写真:星詩君

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