茅ヶ崎

Van Halenの「Jump」が流れていた。

「最低600は欲しいね。」

茅ヶ崎の中華屋「知味斎」

キリンビールを飲みながら語っていた。

明るい未来があると信じて、排骨飯とビール、

尽きない夢想。20代の終わり。

先週、サバニ終わりで茅ヶ崎へ。久しぶりの街。

Sammy、62と合流する。クラフトビールの店。

タップから注がれるビール。グラス800円の美味しいやつを飲る。

稼ぎと反比例するビールを何杯も飲る。

あの頃茅ヶ崎にいた自分に誇示する様に。

Sammyの誘いで南口の焼き鳥屋さんへ。

炭火で焼いた絶品の焼き鳥とipa、至福の時を過ごす。

「最低で600は欲しいね。」

カニと夢を語り合ってたあの頃の自分。

帰り際仲間に嘘をつく。

「茅ヶ崎なんて初めて来たかも知れない。」

今の自分を欺く為に、あの頃の自分に詫びる為に。

乗り換えの大船で娘に土産を買う。

「そのドーナツください。」

「いくつですか。」

「5個。いや、一つお願いします。」

350円の値札が酔いを醒ます。

逗子で二人に別れ帰途へ。

暗いリビング、ドーナツをテーブルに置き明かりをつける。

冷蔵庫から取り出した88円の発泡酒を口に運ぶ。

まだ負けてないよ、と。あの頃の自分に言い訳する。

0コメント

  • 1000 / 1000