イチマンウィ

雨の土曜日。久しぶりに図書館へ行く。

萩原朔太郎を探す。カテゴリーを示す札。

細い通路でのすれ違いざま右に避ける。

本棚にぶつかりそうになり、手を出したその先に、

沖縄の文字。何かの縁だと思いその本を手に取る。

「沖縄の海人」

パイプ椅子に腰掛けページをめくる。

どれだけの時が過ぎたのだろう。時計に目をやると

2時間が過ぎていた。一気に引き込まれ時を忘れていた。

小浜島に住む糸満の海人の話し。

一言で言うと度肝を抜かれた。サバニと海に憑かれた男。

ジャワ島での恋話には泣けてきた。

多くは語るまい。読まずに死ねるかの1冊。

サバニ乗りにはバイブルになる1冊。

主人公の名は「ブジャ」小浜島の方言でいい年して

独りものと言う意味(カニ、博士)。彼と一緒にサバニに乗りたかった。

世界最強の海洋民族糸満海人の舵で。

たぶん今は他界されていると思うけれど。

至極の一冊です。もう、売ってないけど・・・

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